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オーストラリアの北東部に位置するケアンズは人口13万人の小都市である。1876年に西部の山中に発掘された金鉱地の港町として開拓され、さらに100年前、ジャングルと渓谷の過酷な環境条件の中で多くの犠牲を払って金鉱への物質搬送の鉄道が敷かれたことで町の形態が確立したそうだ。ちなみにTVの「世界の車窓から」にも、この鉄道が登場している。 110年前、すでに熊本、和歌山、広島から3~4年の契約で3000人を超える日本人の出稼ぎ労働者がここオーストラリア・ケアンズのサトウキビプランテーションで働いていたという。驚きである。現在、このケアンズに住んでいる日本人は2000人程度だが、毎日のようにわんさと日本人観光客がやってくる。市内の目抜き通りには日本人が溢れかえり、多くのショップには日本語の案内看板があり、日本人店員が応対している。まるで夏の湘南海岸あるいは原宿か軽井沢の様相である。もちろん観光客は日本人ばかりではなく、世界有数の国際観光地として欧米から多くの観光客姿が押し寄せている。 明るい太陽の日差しの下で、水着や大胆な薄着スタイルの若い白人女性がところかまわず闊歩している。仲良く手を取り合う老夫婦。肩を寄せ合い、海を眺めているカップル。我々の日常の世界から乖離した情景に気おくれ、戸惑いを感じていたのもつかの間。ケアンズの空気は、外来者をすぐに溶け込ます魔力がある。 「自然、人、歴史」を少しずつ紐解きながら、フィリッピン、タイ、インドネシア、中国を駆け巡り、ハワイ、マレーシア・ペナン、そしてオーストラリア・ケアンズのスローライフ。これら体験は私たち夫婦のセカンドステージの序奏にしかないが、今回もまた多くの大切な価値あるものを与えてくれたように思える。このブログは、2006年4月~5月、および2008年1月~3月にオーストラリア・ケアンズ滞在中に撮影した写真と、友人にあてた便りを再編集したものです。 これからケアンズに長期滞在する方、旅行する方への参考としてご笑読いただければ幸いです。(39回に分けて掲載) ペナンとバリ島のブログも公開しています。 ”東洋の真珠”ペナンからの便り http://belponte.exblog.jp/ 神々のすむ島<バリ島>からのたより http://nalireport.exblog.jp/ ・ケアンズ全景写真:Peter Lik publishing ・日本人の出稼ぎ労働者の写真: ケアンズ博物館所蔵資料 下記の広告は筆者とは関係ありません。 #
by tn-dragon
| 2008-03-10 11:00
オーストラリアについて、多くの日本人はたいした知識を持たないのではなかろうか。せいぜいコアラと羊毛、水泳のイワン・ソープ程度。歴史的には、シドニーオリンピックでキャシー・フリードマンというアボリジニの選手が脚光を浴び、その時この国のアボリジニをはじめてテレビで知り、白豪主義を貫いてきた国なのだとしか正直、認識を持ち合わせない。いまこの国で長期滞在しスローライフを始めようとするには、あまりもお粗末なことである。
可能な限りこの国を理解するべきなのだと自分にしっかり言い聞かせなくてならない。なぜオーストラリア軍はイラクに派兵しているのか。そしてまた、最近ではソロモン諸島の政変に警察、軍隊が出向くのか。反日感情は本当にないのか。こうした疑問に説明できる日本人はどれだけいるだろうか。実にさびしい限りである。このまま無関心で過ごすのであれば、ミーちゃん、ハーちゃんと同じ、ただの通りすがりの観光客である。 オーストラリアにSBSという公共テレビチャンネルがある。NHK newsも1日1回だけ放映される。大半は英語系の番組を流しているが、イタリア語やスペイン語など様々な言語でそれぞれの国のNewや番組をストレートに流している。日本では海外番組はすべて日本語に吹き替えとしているのと大違い。なぜなのだろうか。その謎がなんとなく解けてきた。飛躍した考えかも知れないが、たぶん「多文化主義」が作用しているのではないだろうか。現在、オーストラリアは「白豪主義」に代わり、国の基本政策として「多文化主義」を推し進めている。戦後オーストラリアは、大陸防衛と経済復興のために、北欧や東欧、からの避難民やギリシャ、イタリア人さらにトルコ人など、最近まで非英語圏から組織的移民を大量に受け入れてきた。その結果、国内の人口構成比が大きく多様化するが、非英語系移民・難民の持つ多様なminorityの文化・言語を保護、発展させ、オーストラリア国民文化の発展にうまく役立てている。ケアンズの街では英語系白人が観光客としては圧倒的だが、店舗や一歩奥に入ったところでは、様々な言葉が聞こえ、そこに文化がしっかり根を張っている。新大陸オーストラリアは確かな足取りで、「多文化国家」を歩んでいる。昨年訪れたマレーシアは多民族国家であり、テレビ画面には公用語である英語のsuper-imposeをつけ、多様な言語に対応させているが、オーストラリアは生の言語をそのまま流す。2重音声とはなっていない。多民族国家と多文化国家。奇妙な偶然かも知れないが、単一民族国家から飛び出て、異国でのスローライフを楽しむ意義、好奇心がまた増幅した。 (wrote2006) #
by tn-dragon
| 2008-03-10 10:59
ケアンズの町は歴史的には古くはないが、いまも古き時代の伝統的な特徴を持つ建物があちこちに残されている。
英国建築をモチーフとするデザインで大部分は木造構造である。現在もこれらヘリテージ(Heritage)は、ホテルや博物館、店舗として機能している。1階はアーケード、2階は回廊となっていて、強い日差しや、熱帯特有のシャワーをここで凌げることができる。 町並み景観条例があるのかどうかわからないが、新たな建物もHeritage風のつくりをしているものが多く、全体に落ち着いた街の風情となっている。 高層建築はEsplanade沿いの一部のホテル、コンドミニアムを除いてほとんどない。並木も整備され、全体に清潔さが感じられる高級リゾート地としての風格がある。 一般の住宅街は、市の中心から車で数分程度のところに広がっている。典型的な住宅はクイーンズランダーと呼ばれている高床式住居の木造2階建てで、各住宅とも居住空間は2階に位置し、広い庭を持っている。床を上げることで、風通しをよくし、熱帯地域の高湿気を防ぎ、また蟻・ヘビなどの侵入を防いでいる。床下空間は車庫、物置あるいは雨の日の洗濯もの干し場などに使っている。 窓は開放的で大抵はlanai(バルコニーのような居間)がある。日差しをさえぎる長い屋根、庇が美しい住宅デザインとなっている。面白いことに方位は余り関係ない。どの家も居間、寝室の天井には暑さを凌ぐ大きな扇風機がつけられている。日本住宅もそうであったように、冷房や除湿機器、新建材が普及してくると、次第にデザインや構造形式を少しずつ変え、伝統的統一感が失われてくるのはいずこも同じか。ニューサウスウエールズ州では、景観を保つためにオーストラリアの特徴的な赤土を粘土にした屋根瓦を推奨しているというが、クィーンズランド州のケアンズではまだそのような気配はない。 (wrote2006) #
by tn-dragon
| 2008-03-10 10:58
地元新聞(CairnsPost)では、今年は去年より3%増の過去最高の出産数になるであろうと予想している。 なぜこんなに増えるのか?ケアンズ市立病院産婦人科の医師は、理由は良くはわからないが、おそらくケアンズ市のregion credit(自治体に対する信頼)であろうと述べている。 確かに世界的な観光都市ケアンズは、生活インフラは見事に整備され、子供の成育に大切な生活環境と自然環境が充実していることで、子育てには魅力的な都市なのであろう。国内外から若い人の流入が絶えず、人口構成も明らかに若い。年寄りは何処に?? ケアンズは、物価が高い。日本で仕入れたロングステイのための情報では、日本の2/3となっているが、実際はほぼイコール。なにも安くない。ハッキリ言ってとても年金で暮らすようなところではない。2004年に65円だったオーストラリアドルは今やA$1=92~100円。市内バスは最低A$2.45。住宅は日本並み。A$200/週の賃貸は当たり前。洗濯機、トイレ共同使用とかの木賃安アパートは確かにあるが…。経済的に豊かでない若い独身たちは大概2人でシェアしている。物価高騰の原因はジャパンマネーが大きく起因していると地元の人は迷惑そうに言う。日本から押し寄せる観光客、私たちのような短期滞在者の購買力によって、値がじわじわ上がっているとのこと。さらに最近のガソリン価格の急騰も追い討ちをかけているようだ。A$135(unleaded)/㍑は日本以上かも。ベビーブームに水を差さなければ良いのだが。 (wrote2006) 注)2008年後半に起きた世界的な金融危機の影響で、オーストラリアドルは40%も大暴落し、一時、1豪ドル=58円まで下落したが,2010年8月1日現在1豪ドル=78円まで回復した。 #
by tn-dragon
| 2008-03-10 10:57
地元の新聞(Cairns Post)にびっくりする記事を見つけた。日本の女性がアダルトサービスの欄に堂々と携帯番号を載せ客待ちしている。こんな記事を載せる新聞もどうかと思うのだが、とうとうここまできたか。ケアンズにはワーキングホリディビザで来ている日本の若い女性が実に多い。何しにきているのかと疑いたくなる者が街角にもいる。もちろんほとんどの女性はまじめに就学、就労しているようだが.....。
遠いい過日、New York在住中、親の目の届かぬ地球の裏で誰も見ていないことをよいことに、女子留学生が羽目を外して信じられぬ行動をおこしていたのをフト思い出した。 ケアンズは、観光都市のせいか夕方5時から10時頃までが、一日でいちばん活気がある。この時間になるとアイリッシュバーからは賑やかなバンジョーやエレキが鳴り響き、街の中心にある広場(City Place)や Esplanadeの野外ステージからジャズやポップスの音が聞こえてくる。そしてオープンカフェバーには大勢の観光客がビール、ワインを手に声高に談笑。しかも風俗店も10時にはClose。実に健全である。 オーストラリアは、質の良いブドウが収穫できる恵まれた国で、日本ではあまり見かけないスパーリングの赤ワインや、デザートのように甘くて香り高い貴腐ワイン、そしてケアンズ近郊でしか手に入らないマンゴーワインがある。カスクワインはポピュラーなワインであろう。ビールも種類が多い。ケインズのあるクイーズランド州産のビールはXXXX(フォーエックスとよんでいる)。 たまに深夜ひったくりがあるようだが、ケアンズの治安はすこぶるよい。交通ルールもしっかりと守られているようだ。事故や犯罪でパトカーが走っているのをめったに目にすることがない。観光客や他国からの永住者が増えることで、街の風紀や品位を乱すようなヤカラが増殖することをケアンズの市民は一番おそれているのではなかろうか。テレビではScamに用心するよう注意を呼びかけている。高齢者や観光客がターゲットになるのはどの国も同じだが…。 この時間,昼間には気がつかなかったお宝を発見をする。TakeAwayのミートパイをおにぎり感覚でかじりながら、わくわくしながら裏道を探索するのが実に楽しい。 (wrote2006) #
by tn-dragon
| 2008-03-10 10:56
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