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日の出前、早朝の涼しいうちから建設現場では作業員が動き回っている。そして夕方4時には作業は終わっている。日中の炎天下では作業は中断。メイン道路の上空をまたぐようにしてタワークレーンのビームが伸び、道路からプレキャストコンクリート製の部材や資材を吊りあげている。一歩間違えれば大惨事になりかねない。基礎の掘削には湧水を無造作にくみ上げ、そのまま道路の側溝に流し込んでいる。防音シートや工事用仮囲いをするでもなく、道路を大きく占拠し、第三者に対して余計な気遣いはしない。工程厳守などは通用しない。いつ完成、いつオープンなどの看板は掲げていないが、完成予想図がいかにも人目を寄せ付けるかのように掲げてある。
ケアンズにかかわらずオーストラリアの主要都市はバブル状態で不動産投機による建設ラッシュが起こっている。職人の手配はままならずと聞いている。どこも遅れている。住宅は特にいつできるかわからない状態になっている。(当然に反動が起こりうる可能性有り) 建築学的に見ると、高層建築の主体構造は、地震がないせいか、日本のようにごつい鉄骨や鉄筋をつかった架構法は見当たらない。主構造、2次部材共に工場で製造するプレキャストコンクリート製品が主流で、集合住宅おいては無梁構造が多い。暑いせいか現場打ちコンクリートはまずない。したがって生コンクリートミキサー車の姿は稀にしか見ない。 古来、ケアンズの街は海で、ほとんどが埋め立て地で構築されている。そのために表面土壌は砂が多く、地下水位も浅く地下階はまず作らない。くい打ちを見ていると岩盤までが浅いのか高層建物の杭長は10m位である。このまま多くの現場で地下水のくみ上げを続ければ、近い将来、周辺の地盤沈下は必至であろう。すでに現場周辺の歩道に亀裂が入ったり、陥没しているのが散見される。早いうちに行政は建設規制に手を打つほうが良いのではと思うが。 静かに進行する都市の地盤沈下が、観光経済の足を引っ張らなければ良いのだが。 (Wrote2008)
by tn-dragon
| 2008-03-10 10:13
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