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4月25日はANZAC-dayで国民の祝日。ANZACとはAustralian and New Zealand Army Corpsの略で、第1次大戦時のオーストラリア・ニュージーランド連合軍をいう。なぜこの日が祝日なのかというと、日本で言う建国記念日のようなものだからだそうだ。第1次大戦時に初めて海軍を創設し、本土防衛に当たらせていたが、イギリス帝国に属していることを誇りとして中東でイギリス、フランス軍とともにトルコ軍の守るガリポリ攻略に参戦したが完敗。しかし、オーストラリア国内では美事のみが過大に報道され、作戦が敢行された日を祝日としてしまったそうだ。事実に反しているが、この勇気を「ANZAC神話」として今も国民の中に健在している。
![]() 日本では、国家がずっと以前から存在していたから、このようなことはないが、オーストラリアはイギリスの植民地国家であったがゆえに、また国の成り立ちが、流刑を起源するマイナスイメージが強く、ANZACのような事件がオーストラリア人のIdentityの原点・核となったと考えられる。第2次大戦では、ANZACはいままで忠誠していたイギリスがあてにならず、アメリカに援助を求め、日本軍と戦った。現在、イギリス依存からアジア・太平洋国家に転換しようとしているが、99年の国民投票で共和制が否定され、まだIdentityは依然として曖昧で自らの存在を見出せないという。オーストラリア人のIdentityは、オーストラリアを知るに興味は尽きない。 日本は、江戸時代に開国したときから、日豪間に交流があり、1854年の日英和親条約締結以降、オーストラリアは日本に友好的で日本ブームさえ起こっていたという。しかし第2次大戦において、軍人・一般市民合わせて一度に243人が死亡した日本軍による1942年2月19日のダーウインへの爆撃はオーストラリアにとって、植民開始以来、空前絶後の恐ろしい出来事として語り継がれ、反日感情が今も隣り合わせにある。 ANZAC-dayの日、住まいのプールサイドで一緒に日光浴をしていたニュージーランドから来た老夫婦とAussieの食事談義をしていたが、ふとANZACのことが気になり、「日本人は今日一日外出しないほうがいいですね? (Should the Japanese not go out all day long today?)」と冗談ぽく軽く聞いたら「そう思うよ」。やはり本音があった。この日のテレビは、侵略時の残虐な日本人の映像が繰り返し放映されていた。今、多くの日本人が、観光や短期留学など様々なかたちで訪れているが、オーストラリアが近年まで白豪主義のもと移民制限法を施行していたこと、また2つの大戦を通じ、日本人に対するアレルギー(恐怖感も)があった事実を知っておくべきだろうと思う。 ![]() ![]() (写真の豪酒は、「TSUNAMI」の輸入総発売元、三国ワイン株式会社のHP「オーストラリアの清酒」から転載) 〈ダーウイン 大戦'は、オーストラリア大使館広報部資料「第二次大戦と日豪恩讐を越えて蘇る戦後の友好・協力関係」を参考)
by tn-dragon
| 2008-03-10 10:50
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